クリエイター・アート作品で、最初に手がけやすいのは何と言ってもポストカード作品でしょう。
今までに作ったイラストや写真をデジタルデータ化して印刷屋さんに持っていけば、綺麗に印刷してくれます。
費用もそんなに掛からないし、仕上がりのクオリティも高いので、人気が高いです。
ちなみにネット印刷のラクスルでは、1000枚刷って1枚3.5円からできます。
簡単に商品が出来上がるのでお手軽ではあるのですが、これをネットで販売しようと思うとちょっと悩ましい問題が出てきます。
そう、価格の問題です。
ポストカードってネットで売るとなると値段設定が難しくて、なかなか売りづらいんですよね。
このページでは、ポストカードをネットで売る場合の値段設定方法について紹介しています。
値段が安過ぎると逆に買いづらい問題
ポストカードの1枚あたりの販売価格
ポストカードの売価の価格帯って、1枚100円とか150円ぐらいです。まあ、送料込みで1枚150円が妥当なところでしょうか。
上記のネット印刷であれば1枚3.5円なので、利益率からしたら滅茶苦茶高いですね。(これだけで計算すれば、1枚あたり146.5円! 利益率は98%)
1枚150円というのは、普通郵便で送った際の費用を考えても高水準の利益率です。こんな高い利益率が出せる商売は、そうなかなかないです。(あくまでも売れればの話ですが)
お金を印刷しているようなもんですよね。(あくまでも売れればの話ですが)
150円だったら安いしお客様も購入しやすいでしょう、と直感で思うかもしれません。
でもそれは、あくまでもクリエイターとして販売する立場としての発想です。
そこで、本当に150円でいいのか、もう少し視点を変えて考えてみたいと思います。
ネットでわざわざ150円のポストカードを買う?
では視点を変えて考えてみましょう。
購入するお客さんとしたらどうでしょうか。
150円のポストカードを、ネットでわざわざ買う気にはならないと思います。
少額すぎることで心理的なバリア(障壁)ができてしまうのです。少額すぎることで、逆に買いづらい印象になってしまうのです。
それこそリアルのお店で、現金やポイントで払った方が良いと思うでしょう。
ポストカードであれば、近所の文房具屋さんでも売っています。
ちょっと足を伸ばせば、ロフトや東急ハンズ、駅前の百貨店に入っている雑貨屋さんに行けば、いくらでも見栄えの良いデザインのカードが買えます。
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ポストカード1枚だけ買う人はほとんどいない
では、ネットではどのくらいの価格設定にすれば、買いやすくなるのでしょうか?
私の経験では、いろんな種類のものが10枚入って1000円~2000円ぐらいの価格帯で購入数が一番多かったです。
ポストカードを1枚だけ購入するパターンはレアケースでした。ほぼゼロと言っていいくらいです。
フリマとかリアルの場だったら150円でもいけるんだけどなあ〜
買いやすいポストカードの値段はいくらすればよいか?
ポストカードのような少額作品は、どのように販売価格を設定したら良いのでしょうか?
私の経験からすると、売れ筋価格帯である1000円~2000円に設定する方法を推薦したいと思います。
つまり、1枚単位で売るのではなく、10枚や20枚セットで売るのです。
1枚だけだと売上が150円とかの少額になってしまい、入金管理や発送などの手間ばかりかかって喜びも小さいです。
10枚や20枚セットで売れた場合であれば、1回で少なくとも千円以上の売上になります。そのほうが俄然やる気が出てきますよ。
販売価格を売れ筋価格帯(千円~2千円)に合わせる方法
では、実際にどのように価格を設定していったら良いのでしょうか?
この方法には、3つの方法があります。
ポストカード価格設定方法
- デザイン選択なしの場合
- デザイン選択ありの場合
- デザイン選択ある・なしの併用
その1 デザイン選択なしの場合
「デザイン選択なし」ってどういうこと?
「10枚セットで1500円」というように、価格を一つに決める方法です。
10枚の中身は購入者が選べませんが、販売する方にとってはシンプルでトラブルも少ない方法です。
ひとつは、お客様にデザイン選択させず、例えば「10枚セットで1500円」という風に固定してしまうやり方。
この方法のメリットは、シンプルなので手間がかからないこと。
お客様は好きなデザインは選べませんが、注文ボタンをワンクリックするだけで済みます。
デザインが決まっているので、注文後のトラブルも最小限に抑えられます。
その2 デザイン選択あり
「デザイン選択あり」って、どういうこと?
値段と枚数が決まっていますが、購入者がデザインを選べる方法です。
お客様には親切な方法ですが、発送間違いでクレームが起きやすいです。
二つ目は、10~15種類ぐらいのデザインから、お客様に好きなデザインを選んでもらう方法です。
10枚ぐらい選んでもらって合計で1500円とかになるやり方です。
この方法だとお客さんの方で値段をコントロールできるし、好きなものを選べるので、お客さんにとって利点のある方法だと思います。
デメリットとしては、注文後のトラブルが発生しやすいことです。
お客様が注文したデザインと違うデザインのポストカードを誤って発送してしまうトラブルが、比較的起きやすいです。
注文があった場合は、発送前には細心の注意を払う必要があります。注文が重なった場合は要注意。
その3 デザイン選択ある・なしの併用
「デザイン選択ある・なしの併用」って、どういうこと?
これは、価格をちょっとズラした組み合わせテクニックです。
あくまで一例ですが、
- 5枚セット800円(デザイン選択あり) 単価160円
- 10枚セット1500円(デザイン選択なし)単価150円
- 12枚セット1800円(デザイン選択あり)単価150円
というふうに商品設定をします。
これは、小売スーパーなどでよくある値段設定です。いわゆる松竹梅というやつです。
このような商品設定にすると、真ん中の価格帯がなんとなく買いやすい感じになるので、1500円の10枚セットを選んでくれやすくなります。
デザイン選択なしなので、発送時のトラブルも最小限に抑えられます。
デザイン選択ありの場合でも、800円の方は1枚あたりの単価は160円で高めにしてあります。
12枚セットの方は、単価は150円ですが売上金額は一番高いですね。利益率も高くなるので、発送時の手間を考えれば十分釣り合いがとれるというものです。
なるほど、値段の決め方も奥が深いなあ。
でも、自分に合う販売方法ってどうやって決めたらいいんだろう?
それはやっぱり品数というか、種類の多さで決めるべきでしょう。
10種類しかなければ、「デザイン選択なし」でしか販売できませんよね。
でも、15種類もあれば「デザイン選択あり」でもできます。
もっと種類があり、例えば50種類もあれば、「デザイン選択あり・なしの併用」で購入者の利便性も高まり、利益率もアップしますよ。
考えないで良い、究極の値決め方法
いろいろ考えて、それでもどうしても値段を自分で決められない場合は、どうしたら良いのでしょう。
ひとつ、良い方法があります。
それは、他の人と同じ値段にすることです。
他の人が千円で販売していたら、とりあえず自分も同額にしときます。何も考えずに。枚数も同じ。送料も同じようにしておきます。
それでしばらく放置しておいて、アクセス数、問い合わせや売れ行きを見て、値段を下げたり上げたりして調整していきます。
私の経験では、値段は正解がないので、いつも試行錯誤の連続です。
同じ商品で値段が一緒でも売れるときがあったり、売れないときがあったりします。失敗を積み重ねて学んでいくスタンスが必要ですね。
関連記事 ハンドメイドをいくらで販売するか悩んだときの解決方法
どうやって差別化をすれば良いか
ポストカードは、制作は割と簡単に行える分、競合が激しい世界でもあります。
作家としての独特の世界観が重要になってきます。というか、自分の世界観を極めることが究極の差別化。
お客さんはその世界観を自分の生活にも共有したくて購入します。
まずは、自分の世界観(持ち味)をとことんまで追求することから始めたいです。
SNSやブログで世界観を反映したイラストやエッセイなどを無料でコツコツと発信していきます。反応がなくてもコツコツとやり続けます。
半年、1年、2年、3年と続けます。自分の世界観を磨いて研ぎ澄ます感じでやるのが良いです。
お金のことは考えずに、見てもらう人に楽しんでもらうことを第一に考えます。
ポストカードが売れてくるのは、その後です。
ポストカード専門の袋も。梱包資材の専門ショップ特集
お客様の元に作品が届いた時、最初に目にするのは作品を包んでいる梱包です。
梱包にも自分なりのこだわりを持たせることで、お客様の感動を演出することができます。
梱包資材の専門ショップはこちらのページで紹介しています。
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OPP袋を安く買う方法
ポストカードや小物パーツの収納や包装に大活躍する便利なOPP袋ですが、ネットで買うと送料が高くなりがちです。
そのため、送料をできるだけ抑えるためにも、メール便対応してくれるショップを調査してみました。
【仕入コスト削減】OPP袋のメール便対応してくれるショップはココ!
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ポストカードをもっとたくさん売る方法
自分のイラストやキャラクターなど、ポストカードは、自分で作った世界観を手軽に広める手段として最適な商品です。
購入するお客様としても、素晴らしい世界観を安価で手に入れることができます。
世界観を演出しよう
ここで重要なのは、世界観。
あなたのポストカードの世界観はどんな感じですか?
ハッピーな世界観、大正ロマン、レトロ感、日常、非日常・・・作品により様々ですよね。
ぜひあなたの作品の世界観にあったショップで販売することをおすすめします。
なぜなら、Etsyやminne などハンドメイドのショップにはそれぞれ色があり、出展作家やお客様に一定の傾向があります。これがわかるのは、こちらの「ハンドメイド売れ筋・人気ランキング 販売サイト別比較」のページです。どんなジャンルの作品が人気があるのか、ショップ別に比較集計しています。
自分の世界観に合わないショップに出展しても、集まるお客さんの世界観に合わないと売れ行きも鈍ります。
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世界観の演出には、自分専用ショップが最適
そのため世界観を大事にする作家さんは、独自のショップを持つことが多いのです。
自分専用のショップなら、自分の好きなイメージ100%の世界観を演出することができ、その世界観が好きなお客様を多く集めることができるのです。
特別な技術やプログラミングの知識は一切不要で、マウスや指先のタップでパーツを選んでいくだけ。アクセスアップに必要な技術はシステムが裏でやってくれるので、難しいことをお任せできます。
色々悩むことが多いショップデザインも、予めテンプレートがあるので、自分の作品にあった物を選ぶだけです。
最近は、簡単に自分専用のネットショップを作れるサービスが増えて、どこを選べば良いか難しくなってきました。
私が調べてみて、ハンドメイドに向いているショップサービスをリストしておきます。
ポイント
どのサービスも機能的には似ているので、自分に合いそうなところを見ていくのが良いと思います。
STORESやBASEは新しいサービスで、インスタとの連携もできるのがメリットです。小さく初めて、それなりの機能を使いたい方は、STORESかBASEが向いています。
売上がけっこう見込める人は、おちゃのこネットがシンプルで使い易いです。
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小太郎 手作りのハンドメイド作品を販売したい! おすすめのショップカートってどれ? ハンドメイドをネット販売したい! 自分専用のネットショップが欲しい! どのショップカートが良いのかわからない! クリ ...
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