ハンドメイド作品を販売するとなるとまず頭に浮かぶのが、ミンネやクリーマといったハンドメイドのハンドメイドアプリです。
ハンドメイドマーケットアプリとは、フリマ感覚で簡単に作品を販売できる、手作り品専用のショッピングモールのことです。
私自身もマーケットプレイスを運営していた経験から、代表的なハンドメイドマーケットプレイス 7件をピックアップして、どこに出展したらよい?、自分に向いているのはドコ?といった疑問にお答えしていきます。
また、ハンドメイド作品販売で最終的に目指すべきゴールも紹介していますので、これからハンドメイドを販売していきたい!という方、是非お読みいただければ嬉しいです。
ハンドメイドアプリの上手な選び方
ハンドメイドアプリを紹介する前に、まずは上手な選び方のコツを簡単にご説明します。
自分の作品スタイルに合いそうなところが良い
日本、海外含めてハンドメイドのマーケットアプリはたくさんあります。(以降「ハンドメイドアプリ」と呼びます)
その中でどのハンドメイドアプリに出展するのがベストか?と言うと、答えは「自分の作品スタイルに合うところ」です。
ハンドメイドアプリはそれぞれ個性があって、出品されている作家さんやお客さんもみんな違います。だから、マーケットプレイスの個性と自分ん作風がマッチしていればお客さんも購入しやすいですが、作風が浮いていれば、みんな敬遠してしまいます。
だからこそ、「自分の作品スタイルに合うところ」というのが重要になってくるのです。
じゃあどうやって、そんなところを探せば良いのか?
まずはサイトを見てみましょう。
サイトを訪れてみて、サイトのデザインや出品作品から受ける雰囲気はどんな感じでしょうか。
どんな作品が多いか、値段はどのくらい?
自分と似たような作品はどのくらいある? 価格帯はどのくらい?
サイトに集まってくる人はどんな人が多そう? おしゃれな人? 年齢層高め?
だいたいのイメージを掴みましょう。
その上で、サイトの印象と自分の作品がマッチしそうかどうか。なんか雰囲気が合わないと思ったら、マッチしていないかもしれません。
販売手数料とか出品のコストとかもあるけど、まずは自分の作品とハンドメイドアプリの個性が合うかどうか。ここが基本でしょうね。
ひとつに絞る必要はない
「自分の作品スタイルに合う」ハンドメイドアプリを見つけたと思っても、何もそこだけに絞る必要は全くありません。
別にハンドメイドアプリは一つだけに出展する縛りはないので、複数のアプリに出展しても良いのです。
最近は出品料無料のところが多いので、むしろ複数アプリに出品しておいて、反応がイマイチなところから外していくと言うやり方もあります。
実際に出品してみないとわからないことも多いですし。「最初のイメージと違った!」ということもよくある話。逆に、イマイチだと思ったところが意外に反応良かったりすることも。
理想は「自分の作品スタイルに合う」ですが、実際は「出品してみないとわからない」のも事実だったりします。
ひとつに絞るから「売れない!どうしよう」とかになるんで、まずは複数アプリに出しておき、自分に合うところを選別していけばいくようにすると案外うまく行くことも多いのです。
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代表的なハンドメイドアプリまとめ
ではどんなハンドメイドアプリがあるのでしょうか?
代表的なところを紹介してみたいとおもいます。
初めて〜ベテランまで
creema(クリーマ )
アクセサリーから食品まで、手作り作品の総合マーケットです。ミンネと並ぶ、国内最大級の規模です。
東京ビッグサイトやインテックス大阪などの大都市での大規模イベントを開催するなど、オフラインからのお客さんを集客する仕組みが充実しています。
出品されている作品は、どちらかというとファッションやアクセサリー、雑貨が多いです。レベルの高い作品が多い印象があります。ポストカードの出品も多いです。
ただ、文字が小さく、一覧で表示される画像も小さいので、中高年以上はちょっと見づらいかも。
出品料金は無料、販売手数料10%とかなり良心的で、初心者でも出品しやすいです。
→ Creema
minne(ミンネ)
アクセサリーから食品まで、手作り作品の総合ハンドメイドマーケットです。クリーマと並ぶ、国内最大級の規模です。
IT系の大企業であるGMOグループがやっているので、資金的には安心感があります。GMOグループは、インターネット決済の会社やショッピングカートのサービスも手がけているので、技術面でも信頼できます。
出品作家さんを支援する施設(ミンネラボ)の開設やハンドメイド作品の制作から販売までのハウツー本の展開など、手厚いサポートがあります。
出品作品は、クリーマよりもちょっと幅広い感じ。すこしファミリー向けの作品が多いイメージがあります。雑貨系作品はレベルの高い作品が多いですが、カテゴリーが幅広い分、作品によってはレベルの差が激しい印象があります。
作品画像が一覧で大きく表示されるので、作品をアピールする力があります。ポストカードなんか印象的な作品が多いですね。
月額利用料無料、販売手数料は9.6%(税抜)です。
全体的な印象としては、ミンネの方がクリーマよりも出品しやすいと思います。
→ minne
マルシェル
goo blogと連携したハンドメイド・中古品を販売できるマーケットです。
ものすごく簡単に出品できるように設計されており、出品ハードルも低いので初心者には特におすすめです。
出品料は無料で、販売手数料のみかかります。
販売手数料は、販売価格の3.85%。
ただし、goo blog有料プランへの登録が必要で、goo blog有料プランは月額477円(税抜)です。
とはいえ、ブログには広告が表示されないし、アクセス解析でGoogleアナリティクスやサーチコンソールが使えます。
ブログをやっている方や、文章を書くのが苦にならない方は、マルシェルが良いと思います。
むしろブログがメインで、ブログで書きながら、その都度自分の作った作品を売りたい方が一番使いやすいのではないでしょうか。
もしこれを自分でサーバーを借りたりしてブログをやれば、この倍以上は費用かかりますから、その分を考えれば、マルシェルは非常に良いのではないでしょうか。
運営もNTTグループの「goo」だから、安定してますよ。
→ ストーリー型マーケットサービス『マルシェル by goo』
漫画・イラスト・ゲーム系
booth
漫画やイラスト系の作品ならboothがオススメ。特にPIXIV(ピクシブ)に作品をアップしている人なら親和性が高いです。
同人誌やデジタル作品のダウンロード販売も可能です。
出品点数も多く、boothだけでの販売は難しいかもしれないです。
自分の発信チャンネル(ブログやSNS、動画サイト)の販売窓口として利用する方法がオススメ。
ポストカードなどのイラスト系はさすがレベルが高く、個性的な作品が揃っています。
月額利用料無料、決済手数料は3.6%です。
→ booth
作品販売で起業したい、作品を高く売りたい
iichi
本格的にハンドメイド作品を販売したいなら、iichiがオススメです。
クリーマよりもややクラフトや工芸色が強く、作品のレベルが高いです。どの出品者からも強いこだわりが感じられます。
出品料は無料、制約手数料は20%です。
→ iichi
本格的に売りたい、海外へも売りたい
etsy
海外向けに作品を販売したいなら、Etsyがオススメ。
Etsyは、アメリカで一番有名なハンドメイドマーケットで、ナスダック株式市場に上場しています。
世界中のハンドメイド作品が出品されており、アクセサリーやファッション系からアートな雑貨まで揃っています。コレクターものやビンテージものも出品できるため、ハンドメイド色はそんなに濃くはないですね。
ただ、コレクター・ビンテージものが好きな層とハンドメイド作品を購入しやすい層って似ていると思うので、コレクター商品を買った人がハンドメイドを購入するパターンも多そうです。
世界中から作品が集まっているので、かなり日本的な独特感を出さないと、Etsyの中で埋もれてしまう可能性はあります。インスタやSNSなどから集客し、Etsyを販売窓口に利用するのが良いと思います。
月額1,046円の有料プランもありますが、基本の出品料は、1商品あたりUS$0.20(4ヶ月間あるいは売れるまで有効)で、販売手数料は5%です。
出品者のサポートも充実していますが、作品販売の経験が無いとつまづくかもしれません。海外の方とのやり取りは、異文化のギャップもあり、認識の違いから一度トラブルになるとやっかいなことになることもあります。
基本的に個人対個人のやり取りになるので、INCOTERMSのような貿易ルールもあってないようなものですし。ハンドメイド品は実際にモノを見るまでどんなものかわかりにくいから、「こんなはずじゃなかった」的なトラブルも潜在的なリスクとしてありますね。だからこそ、まずは国内向けから初めて経験を積んでからの方がオススメです。
とはいえ、海外から注文が来ると単純に嬉しいですよ。
私が以前やっていたマーケットプレイスでは、けっこう海外から注文がありました。出品されていた作家さんは海外の方とのやりとりに不安だったので私が間に入ってやりとりしましたが、作品を褒めてくれたり、荷物が届いたらきちんと報告してくれたりと誠実な方が比較的多かったです。
ある程度作品販売の経験があり、外国が好きな方にはオススメです。
→ Etsy
Pinkoi(ピンコイ)
アジアのお客さんが多いのがpinkoi。
この点、Etsyよりも馴染みやすいかもしれません。
出品には審査があります。
ショップ開設保証金が3,000台湾ドル(キャンペーン中で無料)、成約手数料が15%。
やはり審査がある分、出品作品のクオリティが高く、安心して購入できそうな雰囲気があります。
→ Pinkoi
ハンドメイドアプリで目指したいこと
マーケットプレイス出展自体はゴールではない
ハンドメイドマーケットプレイスに出展したからといって、それだけでガンガン売れるわけではありません。もちろんマーケットプレイスには、たくさんのハンドメイド好きのお客さんが集まってきていますから、より多くの人の目に自分の作品をアピールできる大きなメリットがあります。
最初の頃はマーケットプレイス側でも「新規出品作品」といったようなカテゴリーで取り上げてくれたりするので、作品の閲覧数が増えたり、実際に買ってくれたりする人も増えるかもしれません。
それで勢いがついてうまく回転してくれれば良いですが、出品してしばらく経ってもなんの反応もないといったこともよくあります。
マーケットプレイスに出展したからと言って、自動的にお客さんがついて作品が継続的に売れる保証は無いのです。だから出展すること自体は、ゴールではありません。出展することは、むしろ、スタートラインに立つ感じです。
ゴールはまだ先にあるのです。
ゴールは、あなたのファンを増やすこと
では、目指すゴールはどこにあるのでしょう?
ハンドメイド作品販売のゴールは、自分のファンを増やすことです。
自分のファンが増えれば、継続的に作品が売れるようになり、利益率もアップできるようになります。
だからこそ、多くの人が訪れているハンドメイドマーケットプレイスに出展して、あなたの作品をもっと多くの人にアピールし、あなたの作家ブランド価値を上げていくことが大切なのです。
もっと突き詰めれば、ゴールはあなたのファンを増やすことなので、「どのマーケットプレイスに出品しているか」というのは特に重要では無いのです。つまりハンドメイドマーケットプレイスは、あなたのゴールを達成するためのツールという役割です。脇役なのです。主役はハンドメイド作家であるあなた自身です。
ハンドメイドマーケットプレイスに出品したらそこで安心するのではなく、どうやったらファンを増やせるか?と常に自問自答することを心がけたいです。
自分だけの専門ショップに誘導しよう
作品が売れるときもあれば、まったく売れないときもあるでしょう。作品の閲覧数が伸びない時もあるでしょう。
そういう時こそが自分を成長させるタイミング。なぜ売れないのか分析し、売れない原因を取り除く良いチャンス。売れないときこそ、自分を次のステップに運んでくれるチャンスです。
こう言う時は詳細なアクセスデータを細かく分析すると、なぜ反応がないのか理由が見えてくることが多いです。
詳細なアクセスデータの中身を見ていくと、実際はどんな人が作品を見てくれているのか、男性が多いのか女性が多いのか、若い人が多いのか、作品ページを何分何秒見ているのか、などなどの情報がわかってきます。
リアルな店舗なら、どんなお客さんが来店してどんなモノに興味を持ったのか、どのくらいの時間お店にいたのか、購入したのかしなかったのか。こういう情報はお店にいればすぐにわかります。
でもネットのお店ではわかりません。きちんとデータを取って、分析しないとわかりません。
しかしながら、マーケットプレイスにはそこまで細かい情報を取る機能を備えていないところが多いんです。
お気に入りの数とか作品を見てくれた人数ぐらいはわかるかもしれませんが、それだけの情報ではお客さん像というのが見えづらいんです。
だからマーケットプレイスは、出展しただけでは自分の作品に興味をもってくれるお客さん像というのがイマイチ掴めないのです。
自分専用のショップなら、詳細データを取得できる
詳細なお客さん像が見えてくれば、どんな作品が売れるのか(または売れそうか)、どんな人に売れるのかがより鮮明にわかるようになります。
だから、この次はどんな作品を作れば良いのか、どんな価格にすれば良いのかもだんだん見えてきます。
このような詳細なデータを取るには、自分専用のショップを持つ必要があります。
ハンドメイドマーケットよりは少しハードルが上がりますが、安い利用料でクレジットカード対応のショップカートも増えており、本気でハンドメイド販売をする方は、チャレンジしてみると良いでしょう。
自分専用のショップとハンドメイドマーケットを組み合わせると、さらに販売の幅が広がってきます。
マーケットプレイスの知っておきたいリスク
ハンドメイドマーケットプレイスは、企業がやっています。
企業がやっている以上、儲からない場合はサービスを撤退することもあります。ある日突然、サービスを停止するかもしれないリスクは常に頭に入れておくと良いでしょう。過去には、dクリエイターズやユザワヤマーケットもサービス終了しています。
サービスを止めることはなくても、他のマーケットプレイスに吸収合併されたりするというケースもあります。過去においては、テトテがminneに吸収されました。
ハンドメイドマーケットプレイスの運営は厳しいの?
ハンドメイドマーケットプレイスは、個人で自由にハンドメイド作品をネット販売や購入できるネットサービス。 有名どころは、Etsy、Creema(クリーマ)、minne(ミンネ)といったところでしょうか。 ...
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自分のショップに集客しよう
マーケットプレイスのお客さんを自分の専門ショップに誘導し、自分のショップでリピートしていただくことを目指しましょう。マーケットプレイスだけで完結していては、いつまでたっても自分のファンはつかないし、よけいなコストもかかってしまいます。
次回買い物するときは自分の専門ショップで買ってもらえれば割引やおまけが付いてくるようなクーポンを作品に同封するなどして、誘導していくのです。
自分の専門ショップに誘導していけば、他の作家さんとの競合も少なくて済み、販売手数料の支払いもないので、その分利益率も高くできます。うまく回っていけば、この先にはリアルのお店という目標も見えてくるはずです。
マーケットプレイスは新規のお客さんを見つけていく場所、と割り切るのも時には必要です。
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