15年以上ハンドメイド作品をネット販売できるサイトを運営していたこともあり、サイト運営をストップした今でも、ハンドメイド作品をネットのショップでよく見たり買ったりしています。
「あ、この作品いいかも」と見つけて買いたくなる時がありますが、「でもなあ・・・」とふと考えて、買うのを止めることが結構というか頻繁にあります。
一体何が買うのを妨げているのでしょうか。
それは一つだけではありません。ショップに関すること、お店に関すること、作家さんに関すること、ハンドメイドというジャンルそのものに関すること・・・・・・。たくさんの要素が関わって、作品を買うのをためらっています。
これは恐らく自分だけではなく、多くの人も同じような不安を抱えていることでしょう。
そこでこのページでは、お客様がハンドメイド作品を買おうかどうか迷ったときの不安点を書き出してみて、それらの対応方法を考えてみることにしました。
対応方法を考えてみて、ひとつでも多くの作品が売れるようになれば嬉しいです。ファンを増やす参考にしてください。
ハンドメイドというジャンルそのものに関する不安
わざわざハンドメイドのものを買うべきか? 既製品の方がものがしっかりしているし、値段も安い。
送料払ってまで買うべき? 他のサイトで既製品を買えば、もっと安いものがたくさん売ってるし、送料も無料のところがある。質もしっかりしているしだろうし。
じゃあ、どうしたらいいのか 対応策
出品している作品の説明文を強化します。
例えば、既製品とどこが違うのかをひとこと書いておくと違います。
客観的なことではなくても、この作品に対する自分の思いでも良いです。この作品を作るきっかけや経緯を書くのも良いですね。
<例>
昔既製品を使っていたんですが、あまりにも使い勝手が悪くてすぐに壊れしまう。何回も書い直しているんで、それだったら自分で使いやすいものを作ろうと思いました。この作品のポイントは・・・・・・。
そこに共感して納得してくれるお客様は、既製品よりもあなたの作品を選んでくれる確率が高くなります。
既製品と比較してどうしようか悩んでいるお客様への強いフック(訴求ポイント)となり、そっとお客様の背中を押してくれます。
何も書かなければ、お客様は他のサイトへ行ってしまい、2度とあなたの作品を思い出すことは無いでしょう。
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ハンドメイドマーケットや個人ショップに関すること
個人間取引だから、やりとりがめんどくさい。それだったら企業がやっている有名なお店から買いたい。
トラブルあったら嫌だ。ネットオークションとかメルカリとか、よくトラブルがあることがニュースなどでやっている。
いざとなったら運営側が対処してくるとは思うけど、トラブルになったら正直めんどくさい。そんなことしている時間ももったいない。
ハンドメイドマーケットは気軽に出品できる反面、作家さんが販売のやりとりに慣れていないから、トラブルが起きやすいのではないか。
このショップが信用できるかどうかわからない。返品対応してくれるかわからない。買った品物がきちんと届かなかったらいやだ。
知りたいことが書かれていない。問い合わせするのも面倒。
出品数が数点しかなく、サイトも更新されている気配もない。
じゃあ、どうしたらよいのか 対応方法
「いかにしてショップの信用を高めるか」を考えることです。
それにはお客さんの気持ちになってみることです。買ってくれるお客さんが不快な思いをさせないためにどうしたら良いか、もう一度考えてみます。
自分がお客さんとなって、他のお店や作家さんから作品を買ってみるのもひとつの方法です。
そこでどんな思いをしたかが参考にできます。
「こんな対応したら嬉しかった」とか、「作品自体は良かったけど、やり取りは気分良くなかった」とか出て来るはずです。
良い気分がしたことは自分に取り入れて、悪いことは自分ではやらないようにします。また、なぜ悪かったのか理由を考えてみて、じゃあ良くするにはどうしたらいいかを検討すると尚いいですね。
これだけでお店の信用度は、かなり違ってきます。即効性はありませんが、じわじわ効いてきます。
もうひとつ大事なことは、作品数はできるだけ多めにすることと、情報はできるだけ新しくすることです。
どうせ売れないからと、放置するのはダメです。最低月に2回ぐらいは、更新しておきたいです。
人間は習慣の動物なので、歯磨きなんかと同じように毎日の習慣にしてしまうと良いでしょう。
作品数が多くて、情報が新しいとショップに賑わいが出てきます。この賑わい感がショップにとっては最重要なのです。
楽天市場社長の三木谷氏も楽天市場創業時は、ショップの賑わいを常に重要視していました。楽天市場のキャッチフレーズが"shopping is entertainment"というところにもあらわれています。
作家さんに関すること
相手(出品者)が信用できるのかわからない。
出品者が変な人だったら怖い。頑固で気難しい人だったらいやだ。
作家さんがどんな人かわからないので、個人的な住所や携帯番号や連絡先を知られるのがリスクがある。あとで変な勧誘のメールとか送られてきたらいやだ。
きちんとメールを返信してくれるかわからない。
じゃあ、どうしたらいいのか 対応方法
情報発信することです。
文章や写真で情報発信するのが肝です。
プロフィール写真も重要です。
ブログをやるのも良いですね。ブログでは、その人の性格がわかるような写真や文章を載せます。その日あった出来事、感じたこと、考えたことなど。
できるだけ自慢話は避けてください。上から目線は避けます。
嫉妬や誤解を与えるようなことは載せない方が良いです。その日の料理とか買ったものや読んだ本は、嫉妬や誤解を生みやすい性格のものでしょう。
あなたが先頭に立って、お客様をリードしてはいけません。イメージとしては、お客様があなたを応援したくなる感じです。
と言っても卑屈になることもありません。卑屈になりすぎると、お客様からの要望が一方的になってきて(つけあがる)、後から自分の首をしめることになります。
引く所、押す所のメリハリが大事。
あくまでも作家やお店の性格を理解してもらうための情報発信です。信用を高める一貫として情報発信することを心がけてください。
作品に関すること
注文したものと違うものが届いたらいやだ。
写真写りだけよくて、実際の商品がしょぼいかも。すぐに壊れたらいやだ。保証も無い
値段が安すぎる。質が悪いのではないか。あるいは、売れない作家?
使ってみて自分にしっくり来るかよくわからない。サイズが大きすぎたり、小さすぎたりするかも。
あのときはものすごく欲しかったけど、冷静になってよく考えたら、デザインが陳腐だった。アイデアが奇抜すぎて、普段使うのが恥ずかしい
じゃあ、どうしたらいいのか 対応方法
これも情報発信です。
できるだけたくさんの写真を載せます。
使う人の目線に立ってたくさんの写真を撮ってください。
実際に作品を持った時の写真、使っている時の写真、アップの写真、引いた時の写真など、いろんな角度で撮ってみてください。
こんな風に使ってほしい、こんな風に使うと壊れやすいといった注意点も忘れずに。
ポストカード作品でもイラスト画像をそのまま載せるのではなく、ポストカードそのものの写真を撮りましょう。
カードの裏側もきちんと撮ります。人がポストカードと一緒に写っている写真があればいいですね。部屋に飾っているときの写真もあればイメージしやすいでしょう。
まとめ:3つの信用力をつけること
作品を買う時の不安って、結局は信用の問題です。
世間一般の、ハンドメイド作品全般の信用はそんなに高くありません。個人間取引に慣れていない人もたくさんいます。
でもそんな中でも、それなりに売れている作家さんに共通するのは、お客さんからの信用が高いということです。
信用というのは、ひとつだけでありません。「お店の信用」、「作家さんとしての信用」、「作品の信用」の3つが必要です。
どれかひとつが欠けていれば、お客さんは買ってはくれません。一回は買ってくれても、リピーターにはなってくれないでしょう。
「買ってよかった」というお客様の信用の積み重ねがファンを作ります。
「売ろう、売ろう」と売るテクニックを考えるのもひとつの方法ですが、やっぱり継続的に続けていくには、3つの信用「お店の信用」、「作家さんとしての信用」、「作品の信用」を高めていくことが重要です。
多くの作家さんが、信用力を高める前に「作品が売れないから」とやめていきます。地道な道のりですが、結局これしか道は無いように思います。
なお、こちらのページ(やっぱり自分だけのお店を持ちたい!作品ネットショップ開設のヒント)では、ネットショップ開設方法やおすすめのショップサービスを紹介しています。ハンドメイド作品をネットで販売する参考にしてもらえれば嬉しいです。