こんな経験、ありませんか?
やっとの思いで自信作が完成。そっそくネットにアップして販売開始。間髪入れずにfacebookやツイッターで新作の告知。
大きな反響があると期待して作品の注文メールが入るのをひたすら待つ。3日経っても1通も来ない。
3日どころか1週間、1ヶ月、半年、1年経っても何の反応もない。
あまりの反応の薄さに自分の才能の無さを指摘されたような気になり、作品づくりを辞めようかと悶々と悩む日々を過ごしている。
オリジナル作品を販売している殆どの人が、多かれ少なかれ、このような経験をしていると思います。
あなたの作品が売れない理由
それはある意味、当たり前のことだと言えます。
作品をネットにアップして、SNSに告知するだけでは売れなくて当たり前。そんなことで才能が無いと勝手に判断して、挫折しても始まりません。
なぜなら、あなたには知名度が無いからです。誰もあなたのことを知りません。知らないから興味もありません。
あなたがどんな人物なのか、どんなことを考えていて、どんな経歴があって、どんな作品を作っているのか、なんてまるで誰も知らないのです。
知らないことには、興味の持ちようもありませんよね。まして作品を買おうなどと、1ミリも思う訳ありません。
あなたがモノを買うときは、ある程度どんなお店かわかった上で買うと思います。よくわからないお店から買うのはなんとなく気が引けますよね。それと同じことです。
たとえ一見「良いな」と思う作品があったとしても、あなたのことがわからないので買うのを止めてしまうことがあるのです。
同じような作品は、ネットで探せばたくさん見つかります。なにもあなたから買わなければならない理由というのは、どこにも無いわけです。
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あなたの作品が売れない構図
つまりは、こういうことです。
アーティストの名前を知らない、よくわからない
↓
不安になる(失敗したらどうしよう)
↓
買うのを止めておこう
ネット販売の初心者は、作品が売れない原因として、作品の販売価格や送料といった値段を問題にしがちです。
ところが、値段を下げても作品が売れるようにはなりません。
問題の本質は、誰もあなたのことをよく知らない、というところにあるからです。(作品の質が良くないというのは論外ですが。)
「売れない」を「売れる」に変える方法
こう書いてしまうと身も蓋も無くなるというか、知名度が無ければどうしようもないと絶望してしまうかもしれません。
では、こう考えてみてはどうでしょうか?
どんなに有名なアーティストでも無名で売れない時代があるものです。
ネットに作品をアップした次の日に、突如として有名になったわけではありません。必ず何年間か無名でサッパリ売れない時期を経験し、それでもめげずに作品を作り続け、その延長線上で何かのきっかけでチャンスを掴んで有名になったのです。
つまり、作品が売れていくようになるまでは時間がかかるということと、売れないのは知名度が低いからであって、才能の問題では無いのです。(もちろん一定のクオリティの作品を作れる才能は必要ですが)
あきらめずに作品を作り続けたからこそ、有名になる道が拓けたということです。諦めてしまえばゼロのまま。
ひとつ忘れはいけないことがあります。
有名になった人は、無名時代に自分をアピールし続けたということです。良い作品を作りながらも、自分のことを外に向けて発信し続けたのです。
作品はあえて「売らない」
自分がまだまだ無名のうちは、いくら自信作ができてもネットで売ろうとしない方が良いと思います。
まずは自分のことを知ってもらうことから始めると良いと思います。
自分の考え方、モノの見方、目標とすることなんかをネットで発信していく。それが一番最初にやるべきことじゃないかな、と思うのです。
どうやって発信するか
どうやって、どんな媒体で発信していけば良いかと最近よく聞かれます。
無料ブログとかSNSとか無料で始められる方法がたくさんありますよね。でも私は、自分でドメイン名を取得してサーバーを借りるという、IT度が高くてお金もちょっとだけかかる方が良いかな、と思っています。
無料サービスは無料で始められて手軽なんですが、拡張性がなかったり、自分で広告を打てないとか制限があります。
いつ・誰が・何を探しにお店に来てくれたか、という最も知りたいアクセスのデータも精度が粗くて、自分の知りたい情報が手に入らないことが多いのです。
独自ドメインで自分でサーバーを借りれば、自分で好きなようにお店のページを作っていけます。どんな人が来てくれたのかというアクセスのデータも詳しく確認できます。
ワードプレスというソフトを使えば、クリックするだけで、スマホ対応の最新の技術を使った高度なデザインのページを導入できます。自分のIT度が低くても、最新技術のサイトができてしまうのです。
最近は安いサーバーも増えていますので、だいたいドメインとサーバーを揃えても毎月千円ぐらいの出費で済みます。
千円ぐらいだったら、作品が売れたらすぐにも回収できそうな金額です。作品が売れない時期でも、自分の書いた記事に広告を載せたりすれば、ある程度の費用を回収することができます。
このようなWEBサイトの作り方については、また別の機会に紹介したいと思います。お楽しみに。
まずは、あえて作品を売らずに、自分の考えを発信していくことで知名度を上げていきましょう。本格的に作品を売るのは、その次のステップと考えると良いと思います。
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発信するネタがない
「自分にはそんな発信できる特別なものなど無い」
こんな質問があるかもしれません。そうお考えの方もいらっしゃると思います。
人が驚くような突飛な出来事など、そうしょっちゅうあることではありません。普通に暮らしていれば、発信できるようなネタなど、そんなに思い当たりませんよね。
スタジオ・ジブリはご存知でしょうか? 「千と千尋の神隠し」や「トトロ」など、数々の名作アニメを世界中にヒットさせたので、多くの方がご存知だと思います。
スタジオ・ジブリの作品のテーマは、半径3メートル以内に転がっているものから企画されていると言います。
半径3メートルで起きた現象は、半径10キロでも起きる現象と言える。半径10キロで起きた現象は、半径100キロでも、地球規模でも起きる現象なのです。
同じようにあなたの半径3メートル以内に転がっているものを発信してはどうでしょうか。
例えば、あなたにとっては些細なこともかもしれない、日常のちょっとした気づき。でもその気付きというのは、案外誰も気づかなかったことかもしれません。
自分の半径3メートルで起こったことや気づいたことを発信しているうちに、あなたに同調する人が次第に現れてくると思います。
作品を販売するタイミング
同調する人がポツポツ現れてきて、その時点で作品の販売をスタートする、とすればどうでしょう。
同調する人がいるということは、あなたの記事を好んで読んでくれている、あなたの考えをよく知っている人がいるということです。
そう人達なら、あなたの作品を喜んで買ってくれると思いませんか。
つまりはこういうことです。
アーティストを知っている、アーティストが好きだ
↓
このアーティストから買いたい!
作品を売るのは後回しにして、まずはアーティストとしての自分を知ってもらうことから始めると良いと思うのです。
15年間クリエイター作品販売サイトを運営していて、本当にそう実感します。