ハンドメイドを販売していると、他の作家さんと知り合いになることが増えます。
きっかけはネットだったり、手作り市だったり、ワークショップだったりと様々。
作家さん同士の交流が増えることで、ハンドメイドの世界がぐんぐん広がり、いろんな情報を交換できるというメリットがあります。
そのような交流の一環として、あるとき知り合いの作家仲間から、一緒にチームを組んでハンドメイドを作ろうと誘われることがあります。
あるいは、今度作家さんの仲間が集まって、ブランドを作ろうという動きがあるから、一緒にやろうと誘われることがあります。
誘っているくれる作家さんは、誠実で真面目な人で、家族もいるし、お金のこともしっかりしていて、決して悪い人ではありません。むしろ信頼できる人。
もちろん作品もしっかり作る人で、それなりに人気もあります。
他の作家もかなりの実力をもっている人たち。
その人達と一緒のチームに入ろうと誘ってくれるということは、その人たちと同じレベルに自分がいることの証明でもあるので、とても嬉しい気持ちです。
でも、今まで一人で活動してきたので、チームでまとまってハンドメイドを作るということは初めて。
果たして自分で良いのか?自分は何が何ができるのか? とても不安に思います。
そもそも、こういう誘いにはのったほうが良いのでしょうか?
あるいは断ったほうが良いのでしょうか?
考えてみたいと思います。
チームには入ってみるべき、でも過度に期待しないこと
用事があるとか、予定が詰まっていて忙しいとかの特別な理由があれば別ですが、そういった理由が特になければ、チームに入ってみるべき、というのが私の意見です。
でも、チームに入って活動することに過度に期待しないことです。
作家として人気者になるとか、作品がたくさん売れるようになるとか、そういった期待はあまりしないほうが良いです。
むしろ、「勉強のひとつ」と捉えたほうが良いです。
もしもチームがうまくいったらそれはものすごいことだけど、うまく行かなくてもそれはそれで勉強になった、というように考えておきましょう。
なぜなら私の経験上、作家同士が集まって創作チームを組んでも、長続きしなかったり、内輪でモメたりして、あまり成功したことが無いからです。
もちろん例外はありますが。
それよりも、他の作家さんの良い点を自分の創作に取り入れたり、創作技術を学んだり、作品の価格の決め方などの販売方法を学ぶといった方面にフォーカスしたほうが良いです。
よくチームをうまくまとめようと奮闘する人がいますが、結局は徒労に終わります。
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作家は個性の集まりだから、あまりチームで創作するのには向いていない
ではなぜ、創作チームは長続きしないのでしょうか?
それは作家ひとりひとりの目指すものや作家自身の性格や事情が違うからです。
いろんな創作タイプの作家さんがいて、それぞれに目指すゴールが違います。色の考え方ひとつとっても、作家さんによっては正反対の考え方をすることがあります。
たとえば、ある作家さんは「赤」に強いこだわりを持っていて、赤をベースにした作品を作っているとします。それなのに、墨汁で墨絵を表現した作家さんがいたとしたら、確実にモメますね。
双方の折衷案を取れば良いと思ってしまいますが、みんなそれなりに創作に関しては意見を持っているので、譲りたくないわけです。チームで作品を作るからには、安易に妥協はしたくありません。
実績として自分の名前が刻まれてしまうからです。
自分の納得できない作品なのに、自分の名前をそこに入れたくないのです。
でも実際作品を作ろうと思ったら妥協するしかないので、最初の意気込みは急速にしぼみ、だんだんやる気も無くなっていくのです。
そうやって、一人去り二人去り、いつの間にか誰もいなくなってしまいます。
そういうときに、なんとか引き止めようと孤軍奮闘する人がいますが、まあうまく行かないでしょう。
チーム内をうまくまとめようとして、モメている人を話し合いさせようとしますが、折り合うことはほとんどないです。むしろ余計揉める結果になるでしょう。
最後には、創作には関係の無い、その人の人格や見た目などを攻撃するようになり、人間関係も悪化させることになります。
もうココまで行くと、修復不可能。
チームはさっさと解散させるべきでしょう。
チームとしてうまくまとめるには
うまく創作チームとして機能させるには、最初の段階で創作の方向性をカッチリ決めておくことです。
たとえば、Aという作家さんが総監督で作品づくりの総指揮を取り、他の作家さんはあくまでアシスタントという位置付けです。
最初から妥協することを求めておくのです。
それでもチームを去る作家さんは出ますが、揉めることは少なくなります。
創作チームは、結局は解散する運命にある
「これを言ってはおしまい」的な話になりますが、作家さんが集まって創作チームを作っても、あまり長続きしません。
ハンドメイド以外でも、漫画家や小説家、芸術家が集まって同人的なことをやることがありますが、大抵は長続きしません。
ドラえもんを描いた藤子不二雄もトキワ荘時代に新漫画党というグループを作りましたが、これも長続きしていません。
作家さんが集まって作るチームなりグループというのは、世界を見ても歴史的にもそういうものなのです。
チームで生み出される創作エネルギーに価値がある
でも、それで良いのです。
このような作家さんが集まって、なにか新しいものを生み出したいという欲求は否定すべきでは無いのです。
作品が世に出る前にポシャってしまったり、短命に終わることも多いですが、創作チームに入る価値はそこでは無いのです。
むしろ、そういうチームなりグループで交わされる、純粋で濃い創作のエネルギーこそが貴重な価値です。
そのエネルギーを吸収できるからこそ、創作チームには入るべきだと思います。
一人で活動していれば決して体験することのできないエネルギーを吸収できます。作家としてのレベルを確実に引き上げてくれます。
だから、もし創作チームに入るかどうか悩んでいるなら、入っておくと良いと思います。
でも、いつでも離れても良い覚悟だけはしておくべきだし、いつかは解散する運命にあることは、頭に入れておくべきです。