どうしたら作品に個性を出すことができるのでしょう。
一つの提案として、作品に少し尖った表現、あるいは大人向けの趣向を取り入れてみてはどうでしょうか。
少し尖った表現というのは、常識から少し外して、毒気のあるユーモアをも感じさせるような、少しひねったような表現です。
難しそうですが、実は取り入れやすく、お客さんにも受け入れられやすいというメリットがあります。
このページでは、少し尖った表現をどのように作品に取り入れるのか、そのアイデアを紹介しています。
人によって向き不向きがありますが、大人に向けた作品を制作されていて興味のある方は是非試してみてください。
なぜ自分の作品が埋れてしまうのか
なぜ自分の作品が埋もれてしまうのでしょうか。
現在の日本のハンドメイド作品は、おしなべておっとりした感じの作品が多いという印象があります。
リラックスというかほのぼのというか、エコというか、自然派といったような作品が多く目につきます。
これは普段忙しい日本人が、ハンドメイド作品に癒しを求めているからなのかもしれません。
もちろん癒し系のハンドメイド作品自体は、とても素晴らしいですし、私自身大好きです。
だけど大多数が癒し系の作品の中、自分も同調して同じような傾向の作品を作っていれば、埋れてしまうのも当然ではないでしょうか。
さらに言うと、癒し系のジャンルでは人気の作家さんが既に数多くいるので、後発の作家さんとしては彼らを上回るために相当な技術や押し出し、個性がないと難しい状況にあるのです。
癒し系からの路線変更
全部が全部癒し系作品だらけでは、人間だんだん飽きがくるものです。
他の趣向の作品もあれば見てみたいし、気に入れば欲しいとも思います。
そろそろ癒し傾向の強い作品から、少し路線を変えた作品にスポットが当たるタイミングがやって来ているかもしれません。
そこでいち早く路線を変える方法として、大人向けの趣向を持った、少し尖った表現を取り入れてみてはどうでしょうか、ということを提案したいと思います。
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尖った表現を取り入れるメリット
個性を出せる
ちょっと昔のことになりますが、以前某小説家と一緒にエンターテイメント小説の朗読会を開催したことがあります。
そこで気づいたことは、尖った表現に対する受け止め方は、人それぞれ微妙に違うということです。
Aさんは〇〇に反応しBさんは△△に反応するといったように、反応するツボは人それぞれちょっとずつ違います。
つまり、尖った表現にはバリエーションが無限にあり、自分オリジナルの表現方法はオリジナル性が高いということになります。
受け入れられやすい
実は、少し尖った大人向けの表現は多くの人に受け入れられやすいんです。お客様の多くは、潜在的にこのような表現が大好きです。
毒気を少し含んだ尖った表現は、実は昔から風刺として受け入れられてきました。
人間の知性をくすぐるので、理解されやすいとメリットがあるのです。
しかし、あまりあからさまに表現すると下品になったり人に不快感を与えたりするので逆効果、というデメリットもあります。
バランスをとる工夫が必要です。
異化効果を狙える
例えば、「癒し系」の作品に全く異質の「少し尖った」モチーフを掛け合わせてみると、これまでにない斬新な世界観が生まれることがあります。
同じように、これまでの自分の作品に少し尖った表現を掛け合わせてみることで、今までない作品観が出てきやすくなります。
簡単に新しいアイデアを思いつくことができるので、ネタに煮詰まった時にやってみると良いでしょう。
インスタ映え
個性的でかつ、受け入れやすい作品であれば、作品の写真を投稿することで、反響も得やすくなります。
気をつけるべきポイント
過剰は厳禁
みんなから好かれるポイントは、「ほんのちょっぴり」の刺激です。刺激は、ユーモアと言い換えても良いです。
ほんのちょっぴり刺激のある作品は、皆から好かれる可能性が高くなります。
逆に、あからさまな表現はみんなから敬遠されがち。
あからさまでなく、ほんの少しだけ取り入れるというのがミソなんです。
ユーモアや毒気といった尖ったエッセンスは、ほんの少しだけ。
まるでプリンを作るときに加えるバニラエッセンスみたいに数滴で良いんです。
ほんの数滴の刺激要素が作品にひねりを加え、没個性から個性的な作品へと変身させるのです。
刺激が入っていない作品とちょっと入っている作品では、漂ってくる香ばしさが全然違ってきますよ。
気づくか気づかないかのギリギリのライン
人間は、少しピリリとした辛味のある表現が好きです。
風刺漫画もそうですし、漫才なんかもそういう表現がたくさん入っています。
でも作品を作る側としては、そういう少し尖った表現って恥ずかしくなることがあります。
自分の内面をさらけ出すようで、どうもなあ・・・・・・・・・。と考えてしまいます。
作るときはノリノリで作れちゃいますが、それを商品として並べるのは少し勇気というか覚悟が要ります。
だからこそほんの少しだけのエッセンスにとどめておくのです。
ほんの少しだけのサジ加減をどのように調整したら良いのでしょうか?
「なんとなく」ぐらいに薄めるのがコツ
うまく調整するコツは、
「あれ? この作品ってなんとなく尖ってるよね」というぐらいにすること。
気づくか、気づかないかの微妙な感じ。
香水みたいな感じです。
香水の匂いをプンプンさせている人より、かすかに臭ってくるぐらいの方が上品ですよね。
少し尖った表現のアイデア
ただ「少し尖った表現」といっても、どうやったらいいかわからないですよね。
そこで、表現のヒントを紹介します。
「誰も気づかなかったけど、言われればそうだよね」というような雰囲気がベスト。
今の自分の作風に少しだけ取りいれて、ミックスしてみてください。
今まで見えなかったフロンティアが見えてくるかもしれません。
時代性
昭和レトロや浮世絵あたりはわかりやすいと思います。大正ロマンなんかは、鬼滅の刃などでも取り入れられてヒットしています。
竹久夢二、中原淳一、上村一夫などが代表的。
浮世絵なら、喜多川歌麿、伊東深水あたりが参考になると思います。
時代性を反映した表現は、刺激が濃くなりにくいのでオススメです。
例えば、現代美術家の山口晃氏の作品が参考になります。現代と過去をミックスさせてかなり深みのある世界観は圧倒的です。
シルエット
シルエットは、そのものズバリを表現するのではなく、連想させるものです。
大人と子供のシルエットの対比なども面白いです。
ワンポイントにも使えるので便利です。
しぐさ
親指を上げた手のポーズ、指先や口元の感じ、ちょっとしたしぐさなどを切り取ってみると、シャープな印象を加えることができます。
可愛いキャラと対比させるような使い方をしても面白くなります。
動物のイメージ
動物の持つ個性は様々です。
走るのが早い動物がいれば、体の大きな動物、とても小さい動物、獰猛なイメージの動物、やさしいイメージの動物。
そういった個性を持つを動物を自分の作品に取り入れることで、その動物の個性を取り入れることができます。
たとえば、ハロウィンなどはコウモリのイメージをうまく取り入れていますよね。
植物のイメージ
動物と同様に植物にも様々な個性があります。
たとえば唐辛子のイメージはどうでしょう。刺激的なイメージがあります。
椰子の実のイメージは、南国リゾートな雰囲気がありますよね。
サボテンのトゲトゲは怖い感じもあります。
無限のフィールドが広がっている
表現する数だけ無数にバリエーションができあがります。
実は、日常の中のちょっとしたひとコマが、尖った表現に使える瞬間が意外とたくさんあるんです。
アンテナをグーンと伸ばして、自分だけの感じ方に気づいてみてください。