一番最初に作品が売れた時というのは、「やったあ!」とパソコンの前でガッツポーズをしてしまうくらい嬉しいものです。
「作品が売れた」ということは、世の中にあなたの作品が認められたといっても言い過ぎではありません。あなたの作品に価値を見出してくれる人間が、この世界に一人以上いるということなんですから。
でも、ただ喜んでいるだけでは、発展はありませんよ。
むしろ、ここからが勝負どころなんです。
そもそも作品が売れるというのは、どういうことか?
オリジナルアートの作品というのは、本来は売れないもの
私は、様々なジャンルのクリエイター作品を販売するオンラインマーケットを15年運営してきましたが、オリジナルなアート作品というものは基本的に売れないものと考えたほうがいいです。
値段が高いから売れない、ということではありません。
あなたは苦労して作品を作りました。材料代もかなりかかりました。製作時間を捻出するのも大変でした。何度も挫けそうになっても諦めずに作品を完成させました。
こんな苦労をして作った作品だから、愛着があるのは当然です。もっとたくさんの人に見て欲しい。評価して欲しいと願うのは当然のことでしょう。
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一生懸命作ってもお客様には伝わりません
ちょっと厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、この願いというのは、ネットの向こう側にいるお客様にはまったくと言っていいほど伝わらないものなのです。
お客様には、お客様の欲しいものがあります。
欲しいものがあるからこそ、キーワードを検索フォームに入力して、その結果として、あなたの作品が掲載されているWEBページを見ているんです。
まず目に入ってくるのは、作品タイトルと作品画像。興味を持ってくれれば、他の画像を見てくれたり、ページの下の方にスクロールしてくれるはず。興味がなければ、他のページに行ってしまいます。
興味があるかないかを判断するのには、1秒もかからないはず。
幸運にも興味を持ってくれたとしても、すぐに購入にはつながりません。お客様の欲しいものとあなたの作品が持つ価値が完全に合致している必要があります。作品の大きさとか送料とか支払方法とかの諸々の条件もあります。
他と比較される
あなたの作品は、他の人の作品と比較される運命にあるのです。
あなたの作品は世の中にひとつしかありませんが、あなたの作品に似ている作品は世の中にたくさんあります。
目が大きな癒し系デザインの猫が描かれた手描きのTシャツを売るとします。同じデザインの手描きTシャツは他にありません。あなたの作品だけです。
でも、猫のデザインが描かれたTシャツはどうでしょう。
猫デザインのTシャツは世の中にあふれていますよね。私も持っています。癒し系の猫Tシャツともう少し範囲を狭くしても、そういうTシャツってたくさんありそうです。
さらに範囲を狭めていって、手描きの癒し系猫Tシャツとしたとしても、他の人の作品があるかもしれません。今無いと思っても、明日から出てくるかもしれません。
お客様は、あなたが作った「目の大きな癒し系猫デザインの手描きTシャツ」が欲しいと思ったからネット検索しているのではないのです。単純に猫が描かれたTシャツを探しているだけで、癒し系とか手描きには全くこだわっていないかもしれないのです。
作品の価値を認めてくれた
こんな風に書くと、自分の作った作品が売れるなんて余程のことじゃない限り無理、と思うかもしれませんね。
でもこんなに無理そうで難しそうなことだからこそ、自分の作品が売れたというのは、とても喜ばしいことだと思いませんか?
どんな理由にせよ、お客様が購入ボタンを押してくれたということは、あなたの作品の価値を認めてくれたということです。
ひとつ売れてからが勝負
初心を忘れないようにしたい
作品が売れると我を忘れて有頂天になって、もう成功したような気分になってしまいがちですが、ここで気を抜かないようにしましょう。
ひとつ作品が売れたということは、次もまた売れるかもしれません。2個3個と売れていく可能性があります。
今回なぜ売れたのか、原因を把握しておくと次につながりやすいのです。
買ってくれた理由は聞いておけ
お客様が買ってくれた理由を一度考えてみましょう。メールで聞いてみても良いかもしれません。
「作品を発送しましたメール」を送る時のタイミングでも良いかもしれません。「作品を買っていただいた理由を教えて下さい」と聞いてみましょう。
破損してたとか届かなかったとか、余程のことが無い限り理由を教えてくれると思います。
先ほどの猫Tシャツの例でいえば、猫の目つきが昔飼っていた猫に似ていたから、という理由かもしれませんね。
次の世界が広がる。2個めを売ろう。
理由はどうであれ、何らかのインスピレーションが得られるはずです。
「昔飼っていた猫」というキーワードから、なにか想像することはできないでしょうか?
もっといろんな目つきの猫Tシャツと作ろうと思うかもしれません。飼っている猫の似顔絵を描きます、でも良いかもしれません。
作品がひとつ売れたことをきっかけにして、次の世界を広げていくための足がかりを作っていきましょう。